外壁の中

| | コメント(0) | トラックバック(0)


木造住宅の壁の中には、一般的に、ガラス繊維を綿状にしたグラスウールと呼ばれる断熱材を入れます。


それはなぜか・・・。


壁の中に断熱材を入れるのは、「空気を動かさない(対流させない)ため」です。


自由に動ける気体は、「対流」を起こしてせっせと熱を運んでしまいます。


断熱材の仕事は「気体」を動かさない事です。(断熱とは熱の遮断ではなく熱の移動を遅くする事です)


グラスウールだけではありません。


空気を拘束する断熱材は様々な種類があり、各性能は拘束力の強さに左右されます。


一般的には断熱材は、繊維系断熱材と発砲系断熱材に分けられますが、ブレインの断熱材は、繊維系断熱材と発砲系断熱材を組み合わせた、付加断熱になります。


現在寒冷地住宅の外壁の多くは、その内部を以下のような構成にしています。


シートを挟む


柱・梁(軸組み)と外壁の間に、防水性と透湿性を兼ね備えたシートを挟みます。



これは雨などの水は通さないが、汗(水蒸気)は逃がす素材で作られた、アウトドア用のジャケット(ゴアテックスなど)に似ています。


断熱材を充填する


壁の中に断熱材を入れます。


これはジャケットの下に、セーターを着るようなものです。

 

結露しないように


住宅の外と中の温度が違い過ぎると、結露が発生してしまいます。


セーターの中でかいた汗が、外部に放出しきれないようなものですので、充填断熱+発砲系断熱の組み合わせは非常に効果があります。


当然壁の外には通気層をとります。


更に室内側で発生した蒸気を壁の中に入れない為に、ビニールシートによる丁寧な気密工事と換気システムが必要になります。

 

簡単にいえばこんな感じですが、外壁、通気層、断熱材、内壁の順序や構成の仕方は、議論百出で一筋縄ではいきません。


今回構造見学会を見ていただいたお客様には、丁寧にご説明させていただいたつもりですので、少しは御理解していただけたかと思います。



002 (5).jpg

 

ダイライト(構造用合板)の上にタイベック(防風透湿シート)を丁寧に貼ります。


008 (6).jpg


付加断熱材は、FP板25ミリ。


更にこのFP版の上にも、2重にタイベックを丁寧に貼ります。


008 (7).jpg


からだにやさしい白いグラスウール。


この上に気密工事のビニールシートを丁寧に貼ります。

 

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 外壁の中

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://brain-home.com/weblog2/mt-tb.cgi/58

コメントする

このブログ記事について

このページは、sakamotoが2010年3月24日 06:30に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「目指せソチオリンピック」です。

次のブログ記事は「来季のマテリアル」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。