建築の仕事に関わるようになってからというもの、毎日のように新しい言葉や知識に出会います。
図面、仕様書、現場での会話… 専門用語の多さに最初は戸惑うことばかりでした。
その中でも、今となっては少し恥ずかしく、でも忘れられない思い出があります。
それは「1坪」という言葉についての勘違いです。
初めて「この部屋は6坪です」と言われたとき、
正直に申し上げると…
私は、いわゆる皆さんが想像するような“ツボ”を思い浮かべていました。
丸くて、床に置いてあるような壺。あのイメージです。
建築の中で「坪」が何を意味しているのか、当時の私にはまったくわかっていなかったのです。
もちろん今では、「1坪=約3.3㎡(=畳2枚分)」という単位で、面積を表す言葉だということは理解しています。
でも、こうした勘違いや思い込みって、初めて業界に入る人には少なからずあるのではないかと思います。
だからこそ私は今、お客様と話すとき、専門用語を使いすぎていないか、自分の言葉でちゃんと伝えられているかを意識するようにしています。
「そんなことも知らなかったの?」と言われても仕方のないようなことでも、
一つひとつ経験しながら、覚えて、実感として理解していく。
その積み重ねが、きっとこれからの自分の力になっていくのだと思います。
いつか、自分と同じように建築の世界に飛び込む人がいたとき、
「最初、坪って壺だと思ってたよ」なんて笑いながら話せるような先輩になれたら嬉しいです。
