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坂本堅太
休日の趣味として、カメラを持って風景や街並みを撮るようになりました。
何気ない光や空気感を切り取る時間は、とても心地よいものです。
そんな中で、ひとつ気づいたことがあります。
それは「家の見方が変わった」ということです。
写真は“光”がとても大切です。
朝のやわらかい光。
夕方のあたたかみのある光。
曇りの日の均一で落ち着いた光
同じ場所でも、光の入り方ひとつで印象は大きく変わります。
住宅も同じです。
窓の位置や大きさ、吹き抜けの有無、軒の出方によって、
室内の明るさや心地よさはまったく違ってきます。
「どこから、どんな光が入るのか」
それを意識するようになってから、
建物を見る目が少し変わったように感じています。
カメラは、素材の質感をそのまま映し出します。
木のあたたかみ。
塗り壁のやわらかな表情。
タイルやアイアンの存在感。
良い素材は、光を受けたときの表情が豊かです。
逆に、表面だけを整えた素材はどこか違和感が残ります。
家づくりにおいても、
見た目だけでなく「質感」や「本物らしさ」を大切にすることの
重要性を改めて感じました。
写真も、要素を詰め込みすぎると落ち着きません。
少しの“余白”があることで、被写体が引き立ちます。
住宅も同じです。
機能や収納を増やすことも大切ですが、
何も置かれていない空間の余裕があることで、
光や素材の美しさがより引き立ちます。
余白は、暮らしのゆとりにもつながるものだと感じています。
写真は、人が入った瞬間に空間に物語が生まれます。
家づくりも同じです。
完成時がゴールではなく、
そこから始まる暮らしこそが本番です。
家族が集まり、
季節の光が差し込み、
日常が積み重なっていく。
その時間まで想像しながら設計することが、
本当に心地よい住まいにつながるのではないかと思います。
カメラはあくまで趣味ですが、
光の入り方、素材の質感、余白の大切さなど、
家づくりにも通じる視点を教えてくれました。
日常の中の小さな気づきが、
住まいづくりのヒントになることもあります。
これからも、
暮らしの中にある心地よさを大切にしながら、
一棟一棟、丁寧に向き合っていきたいと思います。