先日読んだ「日本に来たドラッカー」というの本が面白かったので、ちょっとまとめてみました。
ブレインクルーとTWISTコーチは参考になるので、読んでみてください。
第1話 ドラッカー
蜃気楼とは大気中の光が曲がり、存在しないものが見える現象。
ドイツは、それぞれが頑張って豊かになろうという考えで、ソ連はみんな同じ生活をしようという考え。
起こった後に反応することと、起こる前に反応することは、まったく違う。
私たち一人ひとりが価値ある人生を送れる社会であるために必要なことは何か。
私たちの暮らしは、企業が作り、企業が提供するものすべてで成り立っている。
お客様への思いがなければ何も始まらないし、お客様の喜びがなければ何も終わらない。
組織の目的は、社会に対する貢献である。
マネジメントは命令で運営するものではなく、責任で運営されるもの。ここでいう責任とは、失敗したら評価が下がる恐怖感ではなく、成功への挑戦を許された躍動感だ。
成長する企業には使命がある。使命を共有した組織は、事業を発展させ、社会に繁栄をもたらす。そこには必ずマネジメントがある。
事業の目的は利益の獲得ではない。事業の目的は顧客の創造である。企業があげるべきは利益ではなく、事業を続けるための費用である。企業が利益を確保しなければいけないのは、事業を進めるための費用は自分たちでなんとかしなければいけないからだ。
研修は学ぶ場であり、コンサルティングは解決する場。
コンサルティングはお客様に教える仕事ではなく、お客様を理解する仕事。
人を理解すること。
マネジメントはお客様に対する思いから始まり、お客様の喜びで終わる。
第2話 これからの働き方
「全然ダメだやり直せ」「どこがいけないんですか」「それは俺にはわからない、それを考えるのがお前の仕事だ」 その報告書は自分にとって満足のいくものであっても、上司にとって満足のいくものではなかった。仕事は言われた通りにすればいいのではなく、相手が満足いくものを考えて行わなければならない。
かつては、部下を命令で動かすのがマネジメントだと考えられていた。時代の流れと共に仕事は細分化されて専門化された。上司の仕事は新しい商品を出すことで、新しい商品を考えるのは部下の仕事といったケースはよくあること。
上司の仕事は部下を動かすことではなく、部下の強みを生かすことに変わった。
上司の仕事とは何が問題なのか、部下自らに気づけるように導くことだ。
リーダーは自分たちが考えた方針、計画、目標を通達するだけではなく、理解してもらう必要がある。
リーダーは自分が成果を上げて賞賛を浴びる人ではなく、仲間の協力を得て成果をあげ仲間を賞賛する人。
経営は論理的に答えを導き出せるものではない。追求すべきは正解ではなく原則。
経営にも原理原則がある。答えとは、思惑通りにいかない現実の中にあって、その現実の中から自ら創り出していくもの。
今の教育は考えることより、覚えることに力点が置かれた教育。
人材育成とは知識の埋め込みではなく、正しいものの考え方を育む取り組み。
起こっている変化に対応するのではなく、自ら変化を起こしていかなければいけない。
第3話 日本は世界の見本になる
明治維新は、知識こそが近代社会の基本的な資源であるという認識を基礎にした世界初の試み。
日本が明治維新で行ったことは、知恵を生み出していったこと。ありえもしない理想ではなく、かつて社会で行ったことを会社でも行うべき。
市場を作り出して、世界で買ってもらう。
発展途上国の人たちの中でも一番ニーズが高かったのは学習だった。物ではなく情報だった。ラジオという物体が欲しかったのではない。
経営者の仕事は、お客様に物を買っていただくことではなく、物を通してお客様に喜んでいただくこと。
今ないものを創り出すこと。
発展途上国が、発展途上にとどまっているのは、マネジメントがないから。マネジメントする人がいなければ、原料も、お金も、技術も、知識がただあるだけで、価値を生み出すことはない。マネジメントは、実体のないばらばらのものを、生きた一つのものにすること。
企業が生きる道は、シェアを奪い合い、他社に打ち勝つことではなく、常に新しい価値を社会に生み出していくことにある。
第4話 トップマネジメント
追っかけてくる仕事量は、自分がこなせる仕事量をはるかに超えている。
経営は人に喜びをもたらす行い、経営者は人に喜びをもたらす人。
経営者にふさわしい人とは、自分を成長させられる能力を持った人。
どういう人をトップマネジメントと言えるのか? トップマネジメントとは会社の未来をつくる人。自分の強みを会社の貢献に変えることができる人。
タイムマネジメントとは、多くの仕事をこなすことではなく、やらない仕事を決めること。
大切なことをじっくり考えることができる時間を確保すること。
仕事で成果を上げられるのは、集中している時だけ。
時間の使い方は能力ではない。どれだけ効率よくこなすかでもない。仕事を全てリストアップしていただきたい。次にリストアップした仕事一つひとつにどのくらいの時間がかかるか、。5分なら5分、30分なら30分と書いていく。
人間の能力というものは、いろいろあって誰しもオールマイティというわけではなく、それぞれ得意とするものを持っている。だから社長は社長で、その得意とするものに全力を挙げてもらって、あとのことは心配をかけないように、みんなで負担する。(ホンダの元副社長藤沢武夫)
ホンダは、本田宗一郎あっての魅力であり、藤沢武夫あっての組織だった。
社長一人でトップマネジメントの仕事を全て抱え込まないこと。
複数の人間が力を合わせて仕事をするからには、何らかのルールが必要だ。ここでいうルールとは仕事に制限を加えるものではなく、仕事を自在にするためのもの。言い換えれば個々の総和を超えるものを生み出す文化をつくるということ。
お家騒動 起こっていることは違うように見えても、それらを起こしているものは同じ。
意思決定には、意見の不一致が必要。この決定がどんな結果をもたらすかということについての理解を深めるために、意見の不一致を生み出す。重要なことを決めるときは、あとになって予想外の問題に遭遇しないために、意見の不一致は必要。
どんな組織も、私の立場であれば私が正しい、あなたの立場であればあなたが正しい。誰も間違ったことは言っていない。多かれ少なかれ、それが組織の現実。意見が食い違うのはいいが、いつまでも意見が定まらないのは問題。人間は理論と感情の両方で自ら動く。人と人を結ぶのは、誠実な話し合いしかない。
時間はかかるが、意見の不一致を当然のこととする1枚岩の経営チームが構築される。労苦は伴うが、事業の停滞を招くよりはマシ。
トップマネジメントの仕事は、全力で動くことではなく、適切に動くこと。
大事なことはどれだけ労力を費やしたかではなく、どんな成果を出せたか。
生み出す成果を明らかにすること。それが明確であればあるほど、命中率は高くなる。生み出す結果とは、噛み砕いて言えば、客観的に考え抜いた上で一番重要なこと。
経営チームの能力を高める3つのこと。
- 5年後にも繁栄し続けるためにどんなことに取り組んでおく必要があるか、について考え抜き、そのことについて決めておくこと。
- 人事について詳細を把握する。誰が成果をあげているかだけではなく、誰が強みを行かせているか、いないかを掴んでおくこと。
- 思ってもいなかった変化を把握すること。
大企業の経営チームは、決定すること、執行すること、監視することが仕事。
中小企業には、マネジメントの経験が豊富な人がいないため、自分たちの悪い点を正す手が打たれない。中小の同族企業は、経営チームに同意してくれる者ではなく、経営チームとは違った視点で反対してくれる人が必要である。
リーダーシップなくしては、生産資源は資源にとどまり、生産はされない。
経営者はスケジュールを80時間以上入れないようにする。
重要なことを決めるときは満場一致ではなく意見の不一致が必要。
第5話リーダー育成
資金が枯渇しても人材がいれば事業は伸びる。
リーダーの育成は、間違った方向へ失敗しないようにすることではなく、正しい方向へ失敗できるようにすること。
リーダーの育成は、言うまでもなく経営チームの仕事。
外部からの採用 自分の血液は自分でつくることができなければいけない。
全ては人で決まる。会社の未来は、今どんな育成をしているかで決まる。
自分をマネジメントできない人が部下をマネジメント出来るはずがない。
リーダーの一番重要な仕事は、自分自身をマネジメントすることである。部下に対しては深く配慮しているだけ。
何をすれば自分をマネジメントしていると言えるのか? 自分にとって最も重要な仕事は何かということを徹底的に考え抜くこと。リーダーは考えることが仕事。これは当たり前すぎることなので、かえって気づけない。
仕事は結果から考えなければいけない。経営者は間違ったことをしていても指摘してくれる人はいない。
経営者は時間の半分以上をスケジュールに入れてしまうと行き詰まる。
成果をあげる人は多くの仕事をしていない。多くの仕事の中から、自分が本当にやるべき仕事を選びとっている。
経営者の高い報酬は、苦痛ではあるが必要な決定を下すために支払われている。
成果を上げていない人は、決めなければいけないことを避けている。
やるべき仕事の量は、常に今いる人間ができる量を超えている。
優先順位をはっきりさせることは、先にあきらめなければいけない仕事をはっきりとさせること。
組織図 欠点はみんなが言ってくるから、その人の優れているところさえ知っていればいい。
本来、組織の目的は、人の優れている点を発揮するためにある。
本能が人の弱点を見つける。
会社に対してどんな成果をあげようとしているのか、あなたの考えを聞かせて欲しい。
育成の出発点は強みから始まる。
- その人ができることは何か
- その人のぶれている点は何か
- その人の優れている点をさらに磨くために何をさせるべきか
こうでなければならないという、頭の中で勝手につくり上げた基準に支配されずに、もっと客観的に人間を見る努力をすべきだ。
人事で成功している会社は会社を発展させ、人事で失敗している経営者は会社を衰退させてしまう。
人事で一番大事なこととは、その人が自分の人生にいい意味をくわえてもらうために何ができるか、という視点で考え、決めていくことだ。
本人を生かすという考え。
努力は評価すべきか? 顧客が買ってくれるのは努力にとどまった労力ではなく、努力によって生まれた貢献。
努力は成果に結びつけなければいけない。
現場の知恵を生かす。
評価の目的は、本人にさらに最善を尽くそうと思ってもらうこと。
自分が成長せずに、人を成長させることなど出来ない。
楽しむとは楽をすることではない。それは、持てる以上の力を発揮することによって自分が成長すること。
全ては人で決まる。会社の将来は今どんな育成をしているかで決まる。
第6話 組織の人間関係
モチベーションとは、全力を尽くしたいと思う理由を生み出す何かである。
伸びている会社は働く人の意欲が高まる効果をどう設定するかに苦心している。
意欲のない人はどうすればいいのか? そういう人は放っておく。
優れた部下を育てるのは、君の考えを聞かせてくれと、部下の話に耳を傾ける上司。
部下の考えが自分の考えと違うとき、部下の考えを変えようとするのではなく、部下の考えを受け止めなければいけない。
組織を発展させるには、部下を育てる人間がいるかいないかで決まる。
なぜ決めてくれないんだろう なぜ自分で決めないのか 君たちもっと仲良くやれよ 打つべき手は、課長と部長の権限を明確にすること。
他の人に非があるからといって、自分が正しいとは限らない。
会社にとって社員を幸せにすることは、果たさなければいけない責任であって、成し遂げたい目的ではない。
企業の目的は事業を通じて喜ぶ人を増やすこと。また働く人は幸せになるために職場に来ているのではない。仕事をするために職場にいっているのだ。
優先すべきは人間関係ではなく仕事の成果。
たとえ仲が良くなかったとしても、成果が出ていればそれは良い人間関係である。
良い人間関係とは、人の好き嫌いや、仲の良し悪しに関わらず、仕事上、協力関係があるということ。
一人ひとりが他の部門の現状を理解して、他の人の仕事を理解して、一人ひとりが自発的に協力しようと思ってはじめて、そこに協力関係が生まれ、人も組織も力を発揮する。
他の部門に聴くこと
- 私の部門が理解しておくべきことは何か
- 私の部門が協力すべきことは何か
- 私の部門があなたの部門に貢献できることはこれだ
上司が部下に聞くこと
- 私に理解して欲しいことは何か
- 私に協力して欲しいことは何か
- 私が貢献できることはこれだ
部下が上司に聞くこと
- 私が理解しておくべきことは何か
- 私が協力すべきことは何か
- 私が貢献できるのはこれだ
進みたい方向に向かって、建設的な改善案をぶつけ合う。
第7話 日本へのメッセージ
理論は実践できてはじめて価値がある。
コンサルタントは経営者から学び、経営者はコンサルタントを使え。
社会を創るのは、一人の非凡な力ではなく、大勢の平凡な絆である。
そのあなたがいまやリーダーである。
長くなりましたが、この内容をワンフレーズにまとめてみると、どうなるかな考えてみてください!