木造住宅の壁の中には、一般的に、ガラス繊維を綿状にしたグラスウールと呼ばれる断熱材を入れます。それはなぜか・・・。多くは「壁の中に空気層をつくるため」と答えます。けれど、断熱材を入れる前から、壁の中には空気がはいっていますよね。壁の中に断熱材を入れるのは、「空気を動かさない(対流させない)ため」です。自由に動ける気体は、「対流」を起こしてせっせと熱を運んでしまいます。断熱材の仕事は「気体」を動かさない事です。(断熱とは熱の遮断ではなく熱の移動を遅くする事です、念のために)
グラスウールだけではありません。空気を拘束する断熱材は様々な種類があり、各性能は拘束力の強さに左右されます。一般的には繊維系断熱材と、発砲系断熱材に分けられますが、ブレインの断熱材は繊維系断熱材と発砲系断熱材を組み合わせた付加断熱になります。
現在、寒冷地住宅の外壁の多くは、その内部を以下のような構成にしています。
シートを挟む・・・柱・梁(軸組み)と外壁の間に、防水性と透湿性を兼ね備えたシートを挟みます。これは、雨などの水は通さないが汗(水蒸気)は逃がす素材で作られたアウトドア用のジャケット(ゴアテックスなど)に似ています。
断熱材を充填する・・・壁の中に断熱材を入れます。これは、ジャケットの下にセーターを着るようなものです。
結露しないように・・・ただし、住宅の外と中の温度が違い過ぎると結露が発生してしまいます。
セーターの中でかいた汗が外部に放出しきれないようなものですので、充填断熱+発砲系断熱の組み合わせは非常に効果があります。当然壁の外には通気層をとります。更に室内側で発生した蒸気を壁の中に入れない為に、ビニールシートによる丁寧な気密工事と換気システムが必要になります。
と、いうわけで・・・簡単にいえばこんな感じですが、外壁、通気層、断熱材、内壁の順序や構成の仕方は、議論百出で一筋縄ではいきません。今回構造見学会を見ていただいたお客様には、丁寧にご説明させていただいたつもりですので、少しは御理解していただけたかと思います。
ダイライト(構造用合板)の上にタイベック(防風透湿シート)を丁寧に貼ります。
付加断熱材FP板25ミリ。更にこのFP版の上にも2重にタイベックを丁寧に貼ります。
からだにやさしい白いグラスウール・・・この上に気密工事のビニールシートを丁寧に貼ります。