グリッドとモジュール


間取りを思案していると、思わず「これはパズルだなぁ」と思う瞬間があります。

生活に必要な設備や水廻りのスペースを、限られた範囲内で過不足なく配置していく作業は、ジグゾーパズルに似ています。

上手くハマらないと必要な部屋が入らなかったり、逆に無駄なデットスペースが生まれてしまったり。

結果として、とても使いずらい間取りが出来上がってしまうのです。

皆さんも経験があるでしょうが、何ピースもあるジグゾーパズルを、ピースの色と形だけを頼りに当てはめていくのはなかなか骨の折れる作業です。

住宅の設計も、このパズルのように間取りをレイアウトしていく方法がとられます。

その1つが「グリットプランニング」と呼ばれる手法です。

グリット(格子)状に引かれた基準線に沿って間取りを計画する方法を「グリットプランニング」といいます。

木造住宅では、同じ間隔のグリット上に柱や壁を配置していくやり方が多いのですが、その背景には「坪数」や「畳数」といった日本独自の広さの単位に対応しやすいだけではなく、柱の間隔に無理が生じたり、建材の使用量に無駄が生じたりするのを未然に防ぐ意味もあります。

グリットの間隔としては、現行の木造住宅では910㎜(3尺)が圧倒的に多く使われてます。

けれども、グリットプランニングとは、本来、設計意図を明確に反映する合理的な寸法を検討することに意義があります。

メーターモジュールや、フィートモジュールがそれですね。

ただ、グリットをそっくり変えるためには、材料の生産体制も一から整えなければいけません。

ですから現実的には、尺モジュールの延長線上で、部分的に臨機応変に対応していくのが良いと私は考えています。

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